肝・胆・膵臓

(1)胆道がん(肝内胆管がん・肝門部胆管がん・胆のうがん)に対する外科治療

胆道とは、肝臓で産生され十二指腸にいたるまでの胆汁の通り道で、肝内胆管から肝外胆管、胆汁を一次的に貯留しておく胆嚢を含みます。部位によっては症状が出にくく、ある程度進行してから発見されることもあります(図10)。

肝内胆管がんは、近年増加傾向にあります。胆管がんは切除が唯一の根治治療です。進行度が増すごとに生存率は低下し、術後補助化学療法も積極的におこなっています(図11)。

また、肝門部胆管がんや胆のうがんに対する手術や化学療法も積極的におこなっており、良好な成績をおさめています。


図10.胆道癌の分類(第5 版原発性肝癌取扱い規約、第6 版胆道癌取扱い規約より)

(2)肝内胆管がんに対する治療

肝内胆管がんに対する治療としては、肝細胞がんに対する治療と同様に、①がんの進行度、②肝予備能(肝硬変の程度、肝臓の余力など)、③全身状態などを評価した上で、可能であればまず肝切除術を考慮します。

当科では他の病院で切除が困難と判断されるなど、難易度の高い手術も積極的に行っております。また、病状によっては、化学療法や放射線治療などを交えながら、患者さんにとって最適と思われる治療計画を立てます。その結果、治療後の成績は全国集計と比較しても良好な結果です(図11)。


図11.当科における病期分類による生存曲線

(3)肝外胆管がん、胆嚢がんに対する治療

肝外胆管がんは、がんのできる場所により、①肝門部領域胆管がんと②遠位胆管がんに分けられます。両者とも、胆汁の通過障害を来し、黄疸(目や皮膚が応戦する状態)で発見されることが多いのが特徴です。黄疸がある状態では、肝臓への負担が大きいため、通過障害の部分にステントというチューブを通して、黄疸を改善してから治療に臨むことが一般的です。

胆のうは、直接胆汁の通過する経路ではないため、胆のうがんの初期には胆汁の通過障害を来さず症状は出にくいといわれます。検診の超音波検査で発見されたり、胆石や胆嚢炎の検査・治療の過程で発見されることがほとんどです。

いずれも治療の第一は、外科的な切除です。がんのある胆管や周辺臓器とともに、転移を起こしやすい周囲のリンパ節も同時に切除します。腹部手術の中では比較的侵襲の大きな手術ですが、当科では、内科、麻酔科、集中治療室、放射線科など、複数の科で連携を取りながら、万全の態勢で患者さんの治療をサポートします。

肝門部領域胆管がんでは、胆管と肝臓の約半分を一緒に切除する手術が一般的です。切除する肝臓の領域が大きい場合は、予め切除する部分の血管(門脈)を塞栓し、残りの肝臓が大きくなるのを待ってから切除を計画します(経皮的門脈塞栓術)。

一方、遠位胆管がんでは、胆管と膵臓の約1/3 と十二指腸と一緒に切除する手術(膵頭十二指腸切除)が一般的です。この手術は、膵臓がんの手術とも共通です。

胆のうがんの手術としては、早期のものは胆のう摘出のみで済みますが、進行度や進展範囲に応じて、肝臓の一部を切除したり、肝門部領域胆管がんや、遠位胆管がんと同様の術式が必要になる場合があります。