背景画像
Patient

患者さまへ

Hepato - Biliary - Pancreatic Surgery

肝・胆・膵

はじめに

私たちは、確かな手術技術と消化器内科・放射線科など他科との連携による集学的治療を元に、悪性・良性肝胆膵疾患に対する治療を行っています。他の施設では困難な難易度の高い手術でも、根治を目指して適応を検討し、患者さんの立場に立って最も有益である治療法をご提供致します。

肝癌症例と肝切除術

私たちは、年間130例以上の肝切除を行っており、特に原発性肝癌については、全国でも屈指の肝疾患センター※であり、県内外から多くの患者さんをご紹介いただいています。
肝がんの進行度、肝予備能、全身状態などを評価した上で、出血量や合併症の少ない安全な手術はもとより、術後も肝臓内科と共にきめ細やかな経過観察と加療(肝炎に対する抗ウィルス療法や再発に対する治療)などにより、長期成績も良好です。
※ 全国1位 : 週刊朝日MOOK手術数でわかるいい病院2021
図1 最近10年間の肝切除症例数の推移 
図1 最近10年間の肝切除症例数の推移 
図2 当科における病期分類による生存曲線
(2000年〜2018年 初回肝切除1112例)
図2 当科における病期分類による生存曲線(2000年〜2018年 初回肝切除1112例)

肝腫瘍に対する腹腔鏡下肝切除術

低侵襲性の追及を行っています

腹腔鏡下手術(図1)は開腹手術より手術創や手術侵襲が小さい手術となり、術後の回復が早い傾向にあります。保険適応の拡大に伴い、現在当科では肝切除の半数近くを腹腔鏡下で行っています(図2)。2回目以降の肝切除(再肝切除)においても積極的に腹腔鏡下手術を検討します。県内外から多くの患者さんをご紹介いただいています。
図1 実際の腹腔鏡下手術(→腫瘍)
図1 実際の腹腔鏡下手術(→腫瘍)
図2 肝臓外科における腹腔鏡下手術症例数
図2 肝臓外科における腹腔鏡下手術症例数

MRI手術室(SCOT:Smart Cyber Operating Theater)の活用

画像診断精度の向上に伴い、術中超音波では捉え切れないような小さな肝腫瘍に対しても切除が求められるケースが増えています。そのような症例に対するナビゲーション手術として、術中MRI撮影が可能なスマート治療室『SCOT』でMRIガイド下肝切除を行っています(図1、2)。全国的にも珍しい、独自の取り組みです。
図1 スマート手術室
図1 スマート手術室
図2 術中MRI撮影
図2 術中MRI撮影
広島大学病院の手術室の一角に設けられており、術中MRI撮影が可能です。

ハイブリッド手術

ハイブリッド手術室では、従来の手術室では難しかった血管造影と手術を同時に行えます(図1)。特に手術中に、カテーテル操作により血管の塞栓・拡張などの治療や、血管内の圧力測定、血流動態の確認などが可能であり、新たな治療の展開が期待されます(図2)。
図1 ハイブリッド手術室
図1 ハイブリッド手術室
図2 ハイブリット手術室における手術風景
図2 ハイブリット手術室における手術風景