
About
教室紹介
History
沿革・歴史
当講座は河石九二夫教授のもとに昭和23年(1948年)3月に開設されました。
その後、昭和33年に第二代教授として星野列先生、昭和47年に第三代教授として江崎治夫先生、昭和60年に第四代教授として土肥雪彦先生、平成11年に第五代教授として浅原利正先生、平成20年に第六代教授として大段秀樹先生に引き継がれ、現在に至っています。
開講以来、「頭の天辺から足の先まで」をモットーに幅広く疾患を扱ってきました。現在でも心疾患を除く各分野において、世界に通用する先進的な基礎的・臨床的研究が続けられ、その成果は国内外で活発に発表され、多数の論文が国際的にも高く評価されております。
今後も、諸先輩方が培ってきた伝統を守り、患者の痛み、苦しみを共感でき、研究、技術、人格ともに優れた外科医を育成することを目標に研鑽を積んで参ります。

初代教授
河石 九二夫先生
(昭和23~33年)
- 教室創設
- 胃外科 輸血療法

第2代教授
星野 列先生
(昭和33~47年)
- 脳外科創設
- 腎移植開始
- 胸腹部外科 血管外科

第3代教授
江崎 治夫先生
(昭和47~60年)
- 甲状腺外科 乳腺外科
- 肝胆膵疾患
- 大腸肛門疾患
- 胸部疾患 移植外科

第4代教授
土肥 雪彦先生
(昭和60~平成11年)
- 腎移植確立
- 肝移植開始
- 甲状腺外科 乳腺外科
- 消化器外科 血管外科

第5代教授
浅原 利正先生
(平成11~20年)
- 肝移植確立
- 内視鏡外科
Current status and Outlook
教室の現状と展望
皆様おかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご指導とご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。教室は、新体制で運営を始め10年が経過いたしました。本年は「講座の伝統を継承し」、「現在の医療環境や学術動向に即した変革を遂げ」、「次世代の医療・研究情勢を予測して準備を怠らない」講座運営を実践して参ります。
伝統の継承
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外科学第二講座が昭和23年(1948年)3月に開催されて以来、諸先輩は「患者の痛み、苦しみを共感できる、しかも研究、技術、学識、人格に優れた外科科学者、外科医師の育成」に研鑽を続けてこられました。この伝統を継承すべく、我々は今、教育、診療、研究のすべてをバランスよく成就するための意識付けとシステムの構築を目指しています。教室員一人一人の資質は非常に豊富であるがゆえ、互いに啓蒙し合う環境とシステムが整備されれば、自ずと個人も組織も成長し続けるものと考えます。そして、個人の才能を伸ばしうる組織には多くの人材が集まり、相乗効果が期待できるはずです。
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システム整備としては、研究・学術活動の支援人員の補充と情報の共有化を行っています。医療崩壊を踏み止めるべく地域医療に時間をさかれる大学院生を支援する研究員を充実・増員しています。そして、研究グループの垣根を取り去り、定期的に横断的プロジェクトミーティングを行うことで情報や研究材料の共有化を行い、効率化を図っています。環境整備としては、教室員全てにデスクが割り当てられるよう部屋割りを一転しました。是非、学術活動の弾みとしてもらいたいと思います。伝統を継承して癌治療・臓器不全・再生医療の研究を発展させる所存です。
医療環境や学術動向に即した変革
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従来当講座は「頭の天辺から足の先まで」をモットーに幅広い疾患を扱ってきました。患者の病態を大局的に把握し、各臓器の治療や管理には深い専門性をもって診療し得る優れたバランスが維持されてきたと思います。しかし、専門性が増して高度な技術の習得を必要とされるようになった現在の医療はますます複雑化し、一講座で全臓器を網羅的に担当することは、診療レベルの向上をむしろ阻んでしまうことが懸念されています。当講座は「消化器外科、移植外科」を担当して専門性を増し、現在、上部消化管、下部消化管、肝胆膵、移植の4グループが教育、診療、研究を推進するユニットとして切磋琢磨しています。
次世代医療への準備
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"Before everything else, getting ready is the secret of success."「準備しておくこと。これが何よりの成功の秘訣である」Henry Ford短い文章ですが、真理を伝えていると思います。消化器外科領域もここ20年で大きく変化しました。内視鏡手術や臓器移植が日常診療として安全かつ効果的に行われようになり、分子標的癌治療の効果も多くのエビデンスが確認されています。開講以来70年間、次世代医療を予測して準備を怠らなかった諸先輩のお陰で、今、世界に通用する先進的な基礎的、臨床的研究が継続し得ています。是非、我々もこの志に続いて参りたいと思います。以上、教室の現状と今後の展望をご報告申し上げました。皆様には、今後とも変わらぬご指導とご鞭撻をいただけますよう、宜しくお願い申し上げます。