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Colon

下部消化管(大腸)

はじめに

当科では、大腸がんに対する外科手術を中心に、大腸がんに対する化学療法を含めた集学的治療、虫垂炎や消化管穿孔といった消化管救急疾患に対する外科治療を担当しています。
大腸がんは、がん罹患数が1位(2018年)、がん死亡数が2位(2019年、1位が肺がん)の病気で、年間15万人が罹患し、現在日本人が最もなりやすいがんの一つとなっています。
大腸がんの発生部位
大腸がんの発生部位

治療法・治療成績

大腸がんの治療には、大きく4つに分けられます。①外科手術、②化学療法(抗がん剤治療)、③放射線治療、④内視鏡治療です。
広島大学では、消化器内科(内視鏡診療科)、がん化学療法科、放射線科とカンファレンスを行いながら、患者さんそれぞれの病状に応じてベストな治療法を選択します。
  • 1

    外科手術

    外科手術においては、根治性(がんを確実に取り除くこと)と安全性を第一に、さらに低侵襲性(患者さんの体の負担が軽いこと)と肛門温存を含めたQOLの維持(患者さんの術後の生活への影響が最小限になること)を重視して治療を行っています。
  • 2

    化学療法(抗がん剤治療)

    術後補助化学療法(治癒切除後の再発予防の抗がん剤治療)、切除不能進行再発症例に対する治療的化学療法を行っています。
    大腸癌治療ガイドラインに沿った治療を、患者さんの体調、病状に応じて実施しています。
  • 3

    治療実績

    治療実績

特色

  • 1

    腹腔鏡手術

    私たちは大腸癌に対する腹腔鏡手術が本邦で開始された直後から、腹腔鏡下大腸切除研究会のメンバーとして積極的に腹腔鏡手術を実施し、20年以上の実績があります。
    現在は、大腸がん手術の約9割に腹腔鏡手術(ロボット支援下手術含む)を行っています。
    腹腔鏡手術
    腹腔鏡手術
    腹腔鏡手術
  • 2

    ロボット支援下手術

    私たちは2010年7月に大腸癌に対するロボット支援下手術1例目を開始し、2018年4月の保険診療認可後は直腸癌に対して積極的にロボット支援下手術を行っています。良質な3次元画像、手振れ防止機能を備えた多自由度鉗子によって精密な手術が可能となります。
    2021年現在50例以上の症例を経験しています。
    ロボット支援下手術
    ロボット支援下手術
  • 3

    肛門温存手術

    肛門に近い直腸癌の場合は、以前は直腸切断術という肛門をくり抜く手術が必要となってきますが、がんの根治性と術後肛門機能が担保される場合は、当科では可能な限り患者さんの希望に応じて肛門温存が出来る手術術式を選択するようにしています。
    肛門温存手術後は、術後排便障害と付き合っていく必要がありますが当科では術後肛門機能検査を行い、患者さんの術後排便生活の質向上に努めています。
    肛門温存手術
  • 4

    遠隔転移巣に対する外科治療

    大腸癌は転移巣切除が治癒につながる稀有ながん腫ですが、当院では呼吸器外科、肝臓外科との連携により積極的な転移巣切除を目指しています。特に肝転移に対しては他院で切除不能と診断された患者さんでも、化学療法との併用による積極的な治癒切除を行っています。StageIV大腸癌の5年生存率は35.2%と多施設データと比較しても良好な成績を示しています。
    遠隔転移巣に対する外科治療
    遠隔転移巣に対する外科治療
  • 5

    遺伝性大腸癌に対するスクリーニングおよび遺伝カウンセリング

    当科では、遺伝性大腸癌であるリンチ症候群のスクリーニングを積極的に行っております。
    対象となるリンチ症候群と家族性大腸腺腫症の疑いのある患者さんには、遺伝子診療部と連携して遺伝カウンセリングを行っております。詳しくは消化器外科外来にお尋ねください。