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働き方改革

外科医の働き方改革
~Well-being Project~

私たちの講座では、外科医がより魅力的な職業となるよう、2018年より働き方改革に着手しました。「多様性のある働き方を認めあうこと」、そして、「女性外科医も男性外科医も充実した生活を送ること」を目標に新しい働き方を模索し、これまで様々なプロジェクトを行ってきました。
Q1
なぜ今、働き方改革なのでしょうか?
A
それは、持続可能な外科診療体制を作るためです。
昔から外科医は、早朝から深夜まで、患者さんのために身を粉にして働くのが美徳とされてきました。そのような働き方は、患者さんと強い絆で結ばれる一方で、医師個人に掛かる負担が大きく、長期間にわたって継続するのは困難でした。
一方で、学生や研修医などの若者にとって、外科医という職業や、外科手術への憧れや魅力は、現在でも変わるものではないようです。私たちの科で集めた学生へのアンケートでは、「もし、外科医の働き方が変わるのであれば、外科医になってみたい」との回答が数多く寄せられました(図1)。
図1(黒田ら、2019年日本移植学会)
図1 (黒田ら、2019年日本移植学会)
私たちは持続可能な外科診療体制を作るために、働き方改革を進めています。「質の高い医療を維持しつつ、外科医自身も健康的で充実した生き方が出来るようになる。→若手医師にとっても魅力的な、修練・労働が出来る環境となる。」という正のサイクルを目指しています(図2)。
図2
図2
Q2
Well-being Projectとは何ですか?
A
外科医自身が健康的で充実した生き方を目指すための活動です。
Well-beingとは:「健康とは、病気でないかとか、弱っていないということでなく、肉体的・精神的・社会的に、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいう」(WHO憲章前文より)とあります。
私たちは、Well-beingを基本的なコンセプトに、若手医師にとっても魅力的な、外科医の働き方改革を目指していきます(図3)。
図3
図3

ここまでの活動内容

  • 1

    チーム制(当番制)の導入
    (2019年8月~)

    チームの全員が患者の担当であるとのコンセプトのもと、チーム内で治療方針と情報を共有し、診療にあたることにしました。また、夜間や休日の急患や病棟対応も、当番を決めて交代で担当することにした結果、メリハリ(On-Off)を付けて働き、質の高い診療と、外科医のWell-beingの両立することができました。その結果、外科スタッフの自由に使える時間は増え、満足度も向上しました(アンケート調査結果:図4)。
    チーム制(当番制)の導入(2019年8月~)
    図4
  • 2

    外科医のインセンティブ導入
    (2020年5月~)

    責任と負荷の大きい、外科の緊急手術に対して、時間外手当以外のインセンティブを設けることができました。これは、休日・時間外・深夜加算Iの取得に付随して、外科医にも手術手当を付けるものです。併せて、通常の手術による収益に加え、外科全体で病院の大幅な収益増に貢献しました。
    関連病院とも連携した働き方改革:既に県内複数の病院で、外科医に対するインセンティブの導入が始まりました。また、各施設の状況に応じたチーム制、当番制の導入や、若手医師の過不足のないトレーニング環境の整備も進めています。
  • 3

    Well-being Project勉強会
    (2021年4月~)

    女性は手技が丁寧で、細かいところに気配りができる人も多く、本来は外科医の適性があるはずです。しかし、旧来の「がむしゃらな働き方」は、女性はもちろん男性医師にとっても継続が難しいものでした。そこで、Well-beingな働き方を目指せるように、教室内の有志で勉強会を立ち上げました。
    特に近年では共働き世帯も多く、女性ばかりではなく、男性も家庭運営にとって重要な役割を追わなくてはなりません。また、女性医師の「結婚も、出産・子育ても、学位も、手術も、全て諦めたくない!」という要望を応援できるよう、外科医の働き方や、人事などについて柔軟な対応を行えるよう努めています。
    患者の幸せを願う理念を大切にしつつ、現役・将来の外科医にとって魅力的な外科医の職場環境の構築を目指していきます(図5)。
    Well-being Project勉強会(2021年4月~)
    腹腔鏡手術
    腹腔鏡手術
    腹腔鏡手術
    図5